「何者!!」


私を引っ張った張本人は、腕を掴んだまま真剣な顔をしていた


なんか、頭もじゃもじゃで、総司が見たら大爆笑するんだろうなーとか考えていると、やっと私のてが自由になった


「嬢ちゃん、その年でなんで盗みなんてやってるんじゃ」


「そないな時から罪を作ってどうするがじゃ」


こいつは、見えるし触れる方の奴か


「私はもう亡霊なので、罪にはならないですよ」


すると、「おったまげたぁ」とかなんとかいった後、もじゃもじゃ男は笑顔で言った


「わしの名は、坂本龍馬っちゅうんじゃ!!嬢ちゃんの名は?」

「鈴です」



無愛想な私とは裏腹に、滅茶苦茶あかるいもじゃもじゃ男───改め、坂本龍馬

「実はな、わしはずぅと亡霊に会いたかったじゃき!!ほんとに嬉しいぜよ!!」


幸い路地裏なので、誰もいなかった

私は早く帰ろうと、坂本龍馬を無視して行こうとしたが、見事に遮られた


「鈴は、なんで死んだぜよ?」

「死んだというか…」


私は、坂本龍馬の質問に詰まった


「魂だけ抜けてきちゃったんです……生きてるけど、一応亡霊…みたいな?


すると、坂本龍馬は顔を一層輝かせた


「じゃあ、なんで魂だけぬけたんじゃ」


「それは、私にも分かりません」


「そうか、わしにもさっぱり分からんぜよ!!」



こんな感じで、坂本龍馬に乗せられて、話し込んだ結果、もう夕暮れになっていた