それから、暇さえあれば土方がたずねてくるようになった
二人ともすっかり仲良くなっていた
私のことは、普通に鈴と呼んでいた
が、勝太をとられるようになったので、あまり土方の登場を良くは思わなかった
私もたまに二人に素振りをやらせてもらうんだけど、このまえ勝太のお父さんの周助さんに見つかって、
「ぼ、木刀がういてる!?」
と騒がれて、なんとか土方と勝太が誤魔化して収まった
そんなこともあってか、私の素振りに参加する回数は減っていった
ある日、私は暇なので土方に聞いてみた
「歳三って、なんの仕事してるの?」
すると、土方は懐から何かを取り出した
「俺様は、このありがたぁい万能薬、石田散薬を売ってるんだよ」
と言われた
「薬なんて、もお手遅れだよ」
土方は「まあまあ、もらっとけ」と私に無理矢理石田散薬を押し付けると、また勝太と素振りを始めた
チッ……今さら薬もらっても意味ないし
まあ、一応は生きてるけどね
こんな調子で、毎日を過ごしていた今日この頃
試衛館に新しい門下生が来るのであった