そんなやりとりのなか、勝太がふと私に目をやった
「おお!これは忘れていた!」
そういうと、私の後ろにたって、肩をぽんと叩いた
「この子は、この試衛館の守護霊の、鈴だ!」
ほら、と勝太にうながされ、私は「鈴です。先程はどうも」と他人行儀に挨拶した
そんな私を、おもしろそうにみつめる歳三
「亡霊たぁ傑作だな!!ほんとにご......俺と互角に戦えそうな奴に
亡霊摩でいるたぁ、この道場はおもしれぇ!」
と、にっこり笑った
すると、勝太はいきなり思いついたように手を叩いた
「そうだ!土方殿にもなにかあだ名をつけよう!」
ぽかんとするわたし達に、勝太は笑顔を向ける
「私だけかっちゃんはすこし恥ずかしいのでね」
こりゃまいったと、すこし楽しそうにわらう歳三
歳三
としぞう
とし
「トシ!」
私が言うと、勝太はそりゃいい!とわらう
「まあまあだな」
まったくにくたらしい返事をする土方
少しはこの素晴らしいあだ名をつけた私に敬意を称してほしいものだ
そんなことは言わないけど
こうして、試衛館にあらたな仲間がくわわったのであった
日も傾いてきた夕暮れ時のことであった