総司、今なんて……
「俺はまだ修行の身です。だから、あなたと夫婦になることはできません。」
もう一度、はっきりとそう告げた
お沙代さんは、ぽろぽろ泣いていた
顔は下げたままだけど、肩を揺らしていた
「…っはぃ」
消え入りそうな声で、そういったお沙代さんは、今にも死んでしまいそうだった
「それでは、俺は失礼します」
それだけ言うと、総司はすっと立ち上がった
ぱっと顔を上げるお沙代さんは、何かを言いたげに、総司に後ろ姿を見つめていた
でも、ギュッとくちを閉ざして俯いた
私は、と言うとただ呆然と立ち尽くしていた
総司は、お沙代さんのことを好いていた訳ではなかったのか
なんだか、私の心の中のもやもやがすっと消えた
そして、一気にちからが抜けて、その場に座り込んだ
「なん、だ……」
すると、総司が入口からでてきた
しまった!
ここにいることがバレてしまう
わたしは、咄嗟に道場にはいった


