お沙代さんの事件かすこしたった


あれからお沙代さんは、本当に馬鹿なことをした、と本人は何度も何度も勝太に頭を下げた


そんなにお沙代さんを、暖かい優しさで許した勝太は、気を利かせて、お沙代さんを良家に嫁がせたのだった


新八や平助、お沙代さんを慕っていた内弟子たちは大層悲しんだが、当の本人はそうでもなかった



もとがサバサバとしているからか、試衛館をさるとき、またもや総司の前に現れた



そして、満面の笑みで

「誠に勝手ながら、嫁に行くことになりました。あなた様が私をふってくれたおかげでございます。幸せになってまいります」


と言ったのであった


彼女なりのけじめなのか、ただの嫌味なのか、ただそれを聞いた総司は、すっと目を細めて微笑んだのだった



女という生き物は、とても強いのだ


なぜだかは分からなかったが、前よりもお沙代さんが綺麗に見えたのであった



そして今、試衛館に大きな転機が訪れようとしていた