私は、一人で庭の片隅にしゃがんでいた



顔を膝に埋めたまま、ずっと動かずにいた


ななんだか、頭が痛かった


亡霊なのに、変なの


最近、夜は少し涼しくなってきた


私は、ふっと顔を上げる


辺りはくらくて、空には三日月が出ていた


「いけない、総の所に行かなくちゃ」


きっと、ずっとここでかくれてたから、私のこと心配してるに違いないから



すっと立ち上がって、進もうとしたときふっと思い出した


あ、今日はお沙代さんといるのか



どうしよう、行くべきか



いや、別に来いと言われた訳じゃないけど


そう言えば、総司は、昼間何を言いかけたんだろう


さっきまで、無の極地にいた私の頭は、急に回転し始めた


どうしようか


こんなに総司の事を考えるのは初めてだ


だいたい、なんで私がこんなに総司の事を考えなきゃいけないんだ


んー、わからない


その時だった


「おや?そこにいるのは鈴ですか?」


穏やかな声に振り向くと、そこには山南がいた