1862年文久3年、弥生
私が大吉を引いてから2ヶ月がたった
わたしは、相も変わらず縁側に座っていた
やっと寒い冬の終わりが、芽吹き始めた桜の木からうかがえる
なんか静かだと思ったら、いつも煩わしい男がいないからだと思い出した
実は、あの日、おみくじで見事に大凶を引いた土方は、その数日後体調を著しく崩して、一時的に生家に帰っていたのだ
あの土方が病なんて信じられないが、生家へ帰る時のげっそりした顔をみたら、少しだけ心配になった
勝太は、大病だといっていたが、詳しくは教えてくれなかった
本人に聞いても、
「あ?なんの病だって?ちょっと風邪こじらしただけだ」
とかなんとかいって教えてくれなかった
まあ、土方のこともうそろそろピンピンして帰ってくるだろう