それから、練習は毎日総司の稽古終わりに中庭で行われた
もちろん、試衛館に野試合で使うような大きな太鼓はない
では、どうやって練習するのか
そう
「鈴檎!いくよ!」
両手に木刀を持った総司が、太鼓を叩くような格好をする
「ねえ、総。ほんとにやるの?」
「え?やるよ?」
私のとまどいに耳を貸さない総司
私はため息をついて「わかったわよ」と返事をした
それをみて、嬉しそうにする総司
そして、右手を振り上げて、そのままおろす
その瞬間をみはからって、私は大きな声で
「どん!!!」
と言った
そう、空気太鼓である
「もっといくよ〜」
一生懸命木刀を両手に持って、太鼓を叩く真似をする総司
「どん!どん!どん!」
それに合わせて、一生懸命太鼓の真似をする私
はたから見たら、どんなに奇妙な光景だろうか
でも、よく考えればとても効率がいい
私の声は周りに聞こえないけど、総司にはきこえる
この、頭が良いのか悪いのかよく分からない練習をしていると、偶然通りかかった平助がこっちに来た
「よう!鈴に総司!なにへんなことやってんだ??」
「やあ、平助!太鼓の練習だよ!」
さわやかな笑顔で言う総司に、平助が首を傾げる
そんな平助に、私がことの成り行きを説明した
「実はね、この前……


