それに、私はここ最近お沙代さんをみていてわかったことがある


お沙代さんは、きっと総司が好きだ


ただの予想に過ぎないけど、なぜか確信があった


と、その時

「でも…」

しばらく黙っていた総司が口を開いた


「お沙代さんは明るい人だけど、楽しい人じゃない」
「楽しい人?」

私は、どう言うことか分からなくて聞き返した

そんな私を見ると、総司はふっと笑った


「お沙代さんは、明るくて、いい子だけど、何かちがうんだよね……落ち着かないというか、つまらなくはないけど、楽しくもないというか」

「なにそれ」

私は、総司の曖昧な表現に、首をかしげる


つまらなくはないけど、楽しくないというのは、どういうことなのだろうか

「まあ、要するに、明るい人と楽しい人はちがうってこと」

「はぁ…」

総司の言葉に、さらに深まるなぞ

「だから、鈴檎とお沙代さんはちがうってこと」

総司は、そう付け足すと、寒そうにぶるっとふるえて私の肩を抱き寄せた

「寒いの?」

「うん、今は暖かいけどね」

それならいいけど