翌日、相変わらず暇な私は、台所でせっせと働くお沙代さんをガン見していた
まぁ、お沙代さんからはガン見されているなんて分からないのだけど
今日も、一生懸命おにぎりを握っているので、また稽古終わりに持っていくんだろう
私も、一個食べたいなぁ
おにぎりをみたあと、お沙代さんをみると、握るのに夢中で、今なら一個だけなら取れそうだ
そろりそろりと近づいて、パッと手を出した瞬間
「お沙代さん、頑張ってますねー」
呑気な声と共に、稽古サボり中の総司がやってきた
私は、瞬時に手を引っ込め、髪をいじろうとしただけかのように誤魔化した
チッあと少しだったのに
私が、キッと総司を睨むと、総司は「ププッ」と笑いを堪えていた
私は、お沙代さんのまえで私と喋れないのをいいことに、
「ふん!総のあほんだらー」
と言って、走って逃げた
「わざわざとらなくても、ちゃんと持ってくのに」
「へ?沖田さん、何か言いました?」
「いいえ。お沙代さん、おにぎりくれませんか?」
「は、はい。どうぞ」
「ありがとうございます」


