総司は、そんな私に「ごめんごめん」と笑って謝る
「まったく、しょうがないから許してあげる」
私が、なんとも可愛げもなくいうと、総司は
「鈴檎は優しいねー」
なんていいながら、私の頭をポンポンなでる
総司の手は、なんだか心地よくて安心する
私は、スッと目を閉じて、頭の上の手の温かさを感じていた
だが、総司の手は、するりとすぐに離れてしまう
思わず総司の方をむくと、総司は、どこか遠くを見つめていた
少しの間、沈黙が流れた
ああ、なにか話さくちゃ
何か話題なかったかな
私が話をきりだそうとしているとき、不意に沈黙は破れた
「鈴檎は、お沙代さんのことどう思う?」
お沙代さんという言葉に、ドキッとした
総司が、じっとこっちをみてくる
「んー…明るくて、優しくて、気がきいて…、私とちがって女子らしくって」
私は、思った事を、淡々と述べた
それを総司は、うんうんいって聞いていた
「総司は、お沙代さんのことどう思う?」
私が聞き返す
総司は、少し考えてから言う
「明るくて、いい子だとおもうよ」
「明るくて、いい子ね…」
総司は、お沙代さんのことがやっぱり好きなのかもしれない