その時、ふと先ほどの土方の言葉を思い出した
『女子たるもの、いつも愛そうよく、しとやかに、控えめにだなー、男の三歩後ろを歩くもんだ。で、顔は綺麗に整ってて、色白で、料理がべらぼうに旨くてだな…』
お沙代さんは、いつも愛そうよく、しとやかだし、控えめだし、顔は整っているし、色白だし、料理も美味しい
まさに、土方の言っていたとうりだ
それに比べ私は、無愛想だし、勝ち気で礼儀知らずだし、顔もいまいちだし、料理なんてしたこともない
なんだか、私は本当にどうしようもないんだと思った
すると、総司が井戸から帰ってきた
人だかりのなかのお沙代さんに近づいていく
「俺も一つもらってもいいですか?」
お沙代さんは、総司を前にして、今まで笑顔だった顔をポポッと赤くして、少しだけ俯いた
「ど、どうぞ」
「ありがとうございます」
頬を赤らめて俯きながら、総司におにぎりを差し出すお沙代さん
それを、総司はさして気にせずに受け取った
なぜか二個
総司がその場を去ると、お沙代さんはため息をはいた
その姿は、なんだかとても綺麗だった
なんだか胸が苦しくなった
とりあえず、この場を離れたくて、私は縁側に戻った


