お沙代さんはお話が上手で、人懐っこい性格で、とても素敵な女子だった
私みたいに、意地っ張りでもなく素直で純粋だし、口も悪くないし、可愛いし、性格いいし
なんだか、お沙代さんと自分を比べていたら、自分が惨めになってきた
隣を見ると、まだ二人は楽しそうに話をしていた
山南は、私といるときより楽しそうな気がする
なぜだか、そうみえた
私は、静かに立ち上がって、その場を離れた
暫くとぼとぼ廊下をあるいていると、前からシケタツラの土方がやってきた
只でさえいい気分ではないのに、土方にあったことによって、さらに気分が悪くなった
土方は、私に気づいたようで、こっちを向いて立ち止まった
「んだお前、シケタツラしやがって」
「そっちこそ」
私が仏頂面で言うと、土方は口の端をつり上げた
「俺はな、お前と違って才色兼備だからな、忙しいんだよ」
才色兼備だからといって、忙しいとは関係ないだろう
私は、「あーはいはい色男は大変デスネー」と息継ぎなしに適当にながした
そんな私に冷たい目線をおくる土方