斉藤は、さらりと着流しを着こなし、今日もかっこよかった
て、いまはそうじゃなくて
斉藤は、すっと行儀良くみんなの前に座った
「斉藤一です」
斉藤は、座るとそう一言だけ言った
そこで、私の説明が入る
「斉藤さんは、ここで剣の修行をしたいそうだ……といっても、歳三よりは強いがな」
私の聞き捨てならない一言に、土方が反抗しようとするが、吐き気によって押し殺された
「鈴、覚えてやがれ」
土方の恐ろしい声が聞こえたが、あえて聞かなかった事にした
「ここで修行をさせて頂けませんか?」
斉藤は、勝太に真剣な顔を向ける
勝太も、まだ顔色が悪いが、斉藤をしっかりと見つめていた
「いいだろう。斉藤君、君も今日から試衛館の仲間だ!」
勝太はそう、にっこりと笑って言った
それに、斉藤もほっと息をつく
総司や平助も嬉しそうにしていた
その他の皆も、斉藤を歓迎しているように見えた
こうしてまた一人、試衛館に仲間が増えたのだった