「多分、高橋は妹を溺愛する気持ちを、恋って勘違いしてたんじゃない?
自分でも気付かないうちに。

よくある話だと思うけど。」



本当、最低。



「そっかな…。」


俯く高橋に、私は言った。


「まぁでも。
おめでとう、って思えたんならいいんじゃないの、深く考えないで。
他の女の子に目を向けてみなよ。
妹は幸せになるんだし。
高橋も幸せになんなきゃ。」



私の口は驚く程、よく動く。


妹としてかどうかはわからないけど。


放課後に見た高橋の目は、恋してる目だった。



でも、そんな事高橋には言えないから。


私を見てほしいと思うから。


俯いて考えている高橋が、考えないように仕向ける。


なんて嫌な女なの。


ごめん、高橋。