蝶々結び

ガラッ...


「亜悠花~♪どうかしたぁ?」


放課後の教室には誠也が一人でいた。



「ふっ・・・ふぇ・・・ひっ・・・。」


「どどど、どうしたの!?」

「ひっく・・・っ何でもない!!」


私は溢れてくる涙を必死に隠した。




大切な人と一緒にいたいのに、色んな物が邪魔をする。


それは誰にも、どうすることも出来なくて・・・。


それが、悔しい。悲しい。苦しい。


近くにいるのに触れることができない。
触れちゃいけない。


優田がとてもとても、愛しい。


色んな感情が、涙になって溢れ出す。



「はい!これで涙拭け~♪」


そう言って誠也が手渡したのは風俗店のティッシュ。