「本田、君・・・」


ぼんやりと間宮を見ていたら間宮の母さんに話かけられた。


ああ、間宮は母さん似なんだな。


「これ、凪が亡くなるまでずっと握ってたの。」


「・・・。」


そう間宮の母さんに渡されたのはあの時、間宮にとってやったアンパンマンのキーホルダーだった。


「これ・・・」

「凪ったら嬉しそうに好きな人に貰ったの。って・・・」

「っ・・・」

「あの子、初めて人を好きになって本当に幸せそうだったわ・・・」


「俺は・・・」

「ありがとう。本田君・・・凪の心の支えになってくれて。おかげで凪は最後まで、笑って・・・っ・・・」


間宮の母さんはそう言うと涙をぽろぽろ流して間宮の側に戻った。