『…君が探しているのはこれ?』




『えっ?』




背後から声をかけられ、驚きつつも後ろを振り返る。




そこには自分と同じ歳くらいの少年がいた。




差し出された手の上には、私が探していた髪留めがあった。




『それっ! ずっと探してたの!!』




ありがとうとお礼の言葉をいいながら、髪留めを受けとる。




『私は麗羅! あなたは?』




少年の顔は暗闇に紛れて見えない。




『僕はー…』




暗闇の中で最後に見えたのは…




少年の悲しげな目だった…