そこで私は目が覚めた。
体中汗だらけで、何故か寒気がした。
すると私の上から
「魘されていましたが大丈夫ですか…?」
優しい声で誰かがしゃべりかけてきた。
私は声を低くし、「あぁ。」とだけ言った。
「そうですか…。僕は眞鍋 陸(マナベ リク)です。おそらくアナタと同じクラスです。」
眞鍋……って……。
「お前眞鍋グループの人間か?」
「ご存知でしたか。僕は社長の息子です。」
やっぱり……。
眞鍋グループは有名だ。
私の父さんのグループ、“新城グループ”とも仲がいい。
「ところでアナタの名前は?」
あ、自己紹介してなかったか。
「新城優希。」
一応新城優希と名乗っている。
男の学校してんのに“美姫”なんて名前は名乗れない。
「新庄くん…よろしく。」
そう言い、笑ってきた。



