冷蝶 【凍結中】





――ガチャ


すると屋上のドアが開いた。



「陸ー、ただいまー…って誰、そいつ。」



そいつは私を睨んで多少の殺気を出してる。



普通の人間なら怯えるだろう。


だが、私は違う。その程度の殺気でなんか怯まない。



「この人は新城優希くん。同じクラスですよ。」


陸が言ってくれた。



「あ……!この前の転校生くんっ!?俺は渡辺 想汰(ワタナベ ソウタ)!よろしくな!」



「………あぁ。」



「転校生くんはどこかの族に入ってんの?」



想汰くんが聞いてきた。


そりゃ、まあこの学校にいたら族に入ってるのが普通だしな。


でも嵐蝶とは言いづらいし…



「どこにも入ってねぇよ。」


「ふーん、そっか!まぁ、真面目くんっぽいしな!」



そう、私の今被っているウィッグは茶髪。

メッシュだっていれていない。


普通の高校からみれば普通なのに
不良高では地味すぎて浮いている


まあ、真面目に見られてよかったのだけれど。