万里乃ちゃんはこっちに気づいたらしく、満面の笑みで駆け寄ってきた。


「悠姫ちゃん来てたの!?」

机に手をついて身を乗りだし、驚いたような表情で言った。


「うん、今日は仕事が早く終わって…」


あたしはパンケーキを食べる手を休めて万里乃ちゃんに話した。


「男子についてかなきゃよかった…。折角の悠姫ちゃんとのランチがぁぁぁ〜」

しょんぼりした万里乃ちゃん。そんな仕草も可愛い。

「悠姫、思いっきり声に出てるぞ」


なつこさんが呆れたような口調であたしに言った。

今、口にしてた!?


「全然可愛くないよ。悠姫ちゃんの方が断然可愛いと思うけどなぁ〜」


万里乃ちゃんは首を傾げながらあたしに驚くべき発言をした。


「お世辞でも嬉しいです」

あたしは苦笑いをした。


「お世辞じゃないんだけど〜」


「万里乃、言っても無駄だ」


なつこさんと万里乃ちゃんは小さい声で話していた。
あたしにはその内容が聞き取れなかった。


「え、なになに?」


「あ、そういえば、午後の授業外国語だ」


あたしの言葉を遮るようになつこさんが言葉を重ねた。

今、さらりと誤魔化されたような…


「そうだね!新しい先生が来るね!どんな人だろ〜」

万里乃ちゃんはキラキラした目でわくわくしているように見えた。


「そっか、午後は宮下先生の授業なんだ…」


あたしはパンケーキを頬張りながら、ボソッと言った。

それが、2人の耳に入ったのか、驚いたような表情であたしを見た。