特上男子

ロビーに落ち着きなく座っとったら、これまた綺麗なお姉さんが迎えに来てくれた。


暫く歩いていたお姉さんが足を止めた先には立派なドアが1つ。


はえっ!?


しゃ……しゃちょーしつ!?


部屋の中に入るとその奥にもう1つドアがあった。



「失礼しても宜しいでしょうか」

『あぁ』



お姉さんが声をかけると、部屋の中からは知らない男性の声が返ってきた。


智輝さんじゃないの!?


1人アワアワしとったらお姉さんにドアを開けられてしまった。



「失礼致します。桂田さんをお連れ致しました」



緊張で全身カチコチになっとったのに、そんな事も忘れて目の前の男性に見惚れてしまった。


スーツ……。


スーツ姿の智輝さん……。


ヤバひぃー!!


胸がキュンキュンするがなぁぁぁーっ!!



『志保ちゃん、わざわざごめんね。届けてくれてマジで助かった』

「い、いえっ!!あの、これッッ」



言葉が上手く出てこんくて、とりあえず腕をピンッと伸ばしてノートを差し出した。