特上男子

----------
--------
------
----
--



昨日のあの人……どこの誰なんやろう。


どこかで見たことがある様な気がするんよね。


でもあんな格好いい人、会ったことがあれば忘れるわけないし……。



「何浮かない顔してんの?」



ライトの席にどすっと座った凛子が顔を覗いてきた。



「昨日胸がキュンキュンした」

「は?頭大丈夫?」

「うん、大丈夫」

「もしかして、松井とやっちゃった?」



松井?


ん?


松井?



「止めてぇぇぇ!!あんなクソ男のことなんて忘れとったのにぃぃぃ!!」

「違うの?って言うか、クソ男って……何かあったわけ?」



昨日のクソ男との出来事を思い出すと、段々とあの時の怒りまで思い出してきた私は、感情任せに凛子に話をした。


私の勢いに負けじと、凛子も怒りで興奮していた。



「ほんっとにクソヤローだね!!」

「やろ!?思い出したらまたムカついてきたぁぁ!!」

「私ぶん殴らないと気がすまない」



席を立ち本当に聡のところに乗り込もうとする凛子を慌てて止めた。



「あんな奴の為に凛子が痛い思いする必要ないけん!!」

「でもッッ」

「ありがとう」



私が笑って御礼を言うと、凛子はしょうがないなという顔をして椅子に座りなおしてくれた。


男勝りで口の悪いところもあるけど、凛子は優しくて人の事でもいつも一生懸命になってくれる。


大好きな友達。