特上男子

胸が苦しい。


苦しいのに幸せ。


1度騒ぎ始めた胸の鼓動は中々治まらんくて、気が付けば車はコンビニに到着していた。


シーズン中やけんか、コンビニの周りも中も人で溢れかえっとった。


海周辺にはホテルなんかの宿泊施設もあるけんかもしれん。



『どれがいい?』

「コンビニなのにこんなに種類あるんですね」

『場所柄だろうな』



どぉんっと花火コーナーがつくられとるだけあって、花火の量と種類が半端ない。


それにしても、智輝さんは今の状況どう思っとるんやろ?


ギャルだけにとどまらず、色んな人が智輝さんをガン見しとりますがな……。



『ボーッとしてどうしたの?』

「よかったら智輝さん車に乗ってて下さい。私適当に買って車に戻りますからっ」



しゃがみこんでいた智輝さんは立ち上がると私の頭に手をのせた。


智輝さんの大きな手。


胸の締め付けがどんどん増していく。