特上男子

お洒落な洋楽が流れる中、私の背筋はありえんくらい伸びきっていた。


窓は閉めきっとるけど冷房が利いとって涼しい……筈なのに手汗半端ない。



『寒くない?』

「はっはいっっ」



密室に智輝さんと2人きりとかマジ拷問っ!!


へたれな私にどうしろと!?


凛子に助けを求めたが、ライトと別荘の周りを散策する約束をしとるとか言われてしまい、結局買い出しは私と智輝さんの2人……。


嬉しいよ!?


そりゃ嬉しいに決まっとる!!


やけど片道30分、往復1時間の道のりをやり過ごす自信がなかっ!!



『……ッッ』



突然隣から笑い声の様なものが聞こえ目を向けると、智輝さんが笑いを堪える様に顔を歪めていた。


もしかして心の声を口に出しとった!?


今更ながら私は慌てて両手で口を塞いだ。