特上男子

実はお化けとか……いや、お化けなはずないか。


霊感のれの字もない鈍感な私が霊的体験をするはずない。


笑い声は止む気配がなく、耳を集中させ声のする方へ音を立てないように足を進めた。


高い金網の前で足を止めると、すぐ下の道路でチャリに乗って笑っている男がいた。


丘公園と呼ばれる由来はこの作りにあるんだろうと思う。


金網の外は下が道路になっていて、公園と道路で少し高めの段があるからちょっとした丘みたいだ。


笑っているせいで揺れている男の頭上に向かって声をかけた。



「盗み聞きした上に笑うなんて失礼やろ」



男は肩をびくつかせゆっくり顔を上げた。



『悪い、ついな。つーかあんだけでかい声で叫んでたのに、盗み聞きもくそもあるかよ』



そう笑いながら喋る彼は、言葉を忘れてしまう程整った綺麗な顔をしていた。


二重だけど涼しげな目元に鼻筋の通った鼻。


細身だけど引き締まった体。


程よく焼けた健康的な肌。


こんな完璧な男の人って本当におったんやね……。


特上の特上やん…………。