特上男子

「離して」



どんなに抵抗して睨み付けても離してくれる気配はない。


それどころか腕を引っぱられもう片方の腕を腰に回された。



「な、何!?」

『目、閉じて』

「ッッ!?」



絶句していると気付けば聡の顔が目の前まで迫ってきていて、反射的に顔を反らし聡の体を押し退けた。



「何考えとると!?マジありえんし!!」

『……めんどくせぇ』

「はぁ!?」



頭を乱暴にかき、私を見る聡の目は鋭かった。


こんな顔……するんだ。


ん?


じゃあ今まで猫被っとったって事!?



『その程度のくせに調子のってんな』

「その程度って何!?」

『見た目もよく言えば中の上のくせにって事だよ。お前程度なら直ぐやらせてくれると思ったのに、キスすらさせねぇってどんだけお高くとまってんだよ』



馬鹿にするような口調で、鼻で笑いながら聡はそう言い放った。


私はムカつき過ぎて口よりも先に手が出ていた。



「さっさ消えろ」

『お前に言われるまでもねぇよ』



聡の背中が見えなくなっても、私はその場に立ち尽くしたまま暫く動けなかった。