特上男子

帰りのHRも終わり帰る準備をしていると、横に気配を感じ顔を向けた。



「……何?」

『一緒に帰んない?』

「部活は?」

『今日は休みになったんだ』



スポーツマンらしい爽やかな笑顔でそう言われてしまったら、断るに断れんやった。


そんな私たちをにこやかな顔をして見送ってくれるライト。


凛子は気持ち悪いくらいニヤニヤした顔を向けていた。



「志保!!また明日ぁ!!」

「うん、じゃあね」



凛子のまた明日には話を聞かせてねって意味も含まれとるんやろうな。


ネタになるような事もなく家にたどり着くと思うけど。


と言うか、ネタになるような事なんてしたくもないし。


私は憂鬱な気分で聡と一緒に教室を後にした。