「ライトは友達やもん。それにこんな事で一々ヤキモチなんか妬かんやろ」

「あれが普通に見える?」



凛子の目線の先には五、六人の男子グループがいた。


その中には私の彼氏、松井 聡がいた。


彼は友達と話しながらも、こっちを気にしているような素振りをみせている。



「言いたいことがあるなら言いにくればいいのに」

「男心が分かってないわね。ねぇ?ライト」

『僕もよく分かんないんだけど』



凛子は私たちを交互に見ると、大袈裟にため息をついた。



「自分の彼女が学校の王子と仲良くお喋りしてるのよ?」

「……やけん?」

「自分よりいい男と自分といる時より楽しそうにしてる。そんな姿を毎日見てたらヤキモチの一つや二つ妬くでしょ普通!!」



でも私は好きで付き合ったわけやないし、聡もそれを承知で私と付き合っとるしなぁ……。


あっちから告ってきて直ぐに断った……けど、押しに負けて付き合うはめになった。


聡はバスケ部で結構女子に人気がある……らしい。


私は特に興味がない為、情報はいつも凛子から入ってくる。



『僕と仲良くしてたら彼氏と喧嘩になる?』

「ライトは気にせんでいいよ。私たち友達やん?」



好きでもないのに付き合っとって、男友達と仲良くしとるだけでヤキモチ妬かれるなら今の関係はもう続かない。