特上男子

授業が終わる予鈴が鳴った。


鳴ったと同時に教室の中は騒がしくなる。


一人だとつまらん過ぎてちかっぱ長く感じる。


せっかくのお昼も一人やったらやっぱつまらん。


みんなおらんけんしょうがないっちゃけどさ。


一人寂しくお弁当箱を広げよったら、前の席に誰かが座った。



「凛子!?」

「そんなに驚かなくてもいいでしょ」

「いや、だって……心配しとったんよ?」

「ごめん」



こんな弱々しい凛子初めて見た。


化粧もなんかいつもより濃い気がする。


いつもナチュラルメイクなのに珍しい。



「お昼ご飯は食べたん?」

「まだだよ。上で食べない?」




私は凛子と並んで屋上に向かった。


凛子の様子が可笑しい。


普段は何も考えずに話しするけど、今は何て話し掛けていいか分からんやった。


凛子と二人で屋上に来るのは久しぶり。



「体調悪かったん?」

「元気だったよ、体はね」



体はって……どういう事?