特上男子

『心配するよ。僕だけじゃない。セリも智輝も禅も、みんな心配する』



里奈さんは瞳を揺るがせライトの胸に飛び込んだ。


頭がついていかん。


何がどうなっとると?



「もう一回ちゃんと話したい」

『里奈……』

「お願い……ライト君がいなきゃ私ッッ」



この会話と雰囲気からして里奈さんはライトの彼女さんなんやろうと思った。


里奈さんの声とライトのシャツを掴む手は震えていた。


ライトは里奈さんの背中に手を回し、あやすようにそっと擦った。



『とりあえず組の人に連絡しよう?今頃大騒ぎしてるだろうから』



里奈さんは首を横にふった。



「セリちゃんにはちゃんと連絡してるから大丈夫」

『そっか、分かった。なら場所を変えて話そう』



ライトは私たちの顔を見て申し訳なさそうに微笑んだ。



『ごめん、里奈と帰るからまた明日学校でね』

『おうっ!じゃあ明日な』



私たちは暫く校門前に立ち尽くしとった。