特上男子

智輝さんに連れられてきたお店はバーやった。


バーカウンターがメインで、ボックス席は少ししかない。


バーとか初めてっ!!



『おっ!いらっしゃぁい。スーツのまま来るなんて珍しいじゃん』

『着替える暇がなかったんだよ』



茶髪でこんがり小麦色のベビーフェイスの可愛らしいお兄さんと仲良く言葉を交わしとる智輝さんは、このお店の常連さんなのかもしれない。


私は智輝さんに促されるままバーカウンターの椅子に腰掛けた。


今にも触れてしまいそうな肩を意識してしまう。



『あれぇー?セリちゃんと結ちゃん以外の女の子連れてるなんて珍しいじゃん』

『ライトの友達で、今日は色々迷惑掛けたからそのお詫び』

『お前が人に迷惑掛けるのも珍しいじゃん。お前はもっと周りにじゃんじゃん迷惑を掛けるべきだ。少しは俺を見習え』

『あのなぁ、お前は迷惑掛けすぎなんだよ』



二人のやり取りが可笑しくてついつい笑ってしまった。


セリさんたちと居るときとはまた違った智輝さんの姿が見られて嬉しかった。