それから空が明るくなって涼平が行かなければならなくなる時間になるまで ずっとたわいもないお喋りを続けた 空が明るくなればなるほど残り時間が少なくなって寂しくなる 寂しさを紛らさすように喋りつづけた 「そろそろ……行くわ」 そう言って涼平が名残惜しそうに立ち上がるまで 「空港まで行きたいなーなんて」 「だめー 俺が行きたくなくなるから」 「もっと行きたくなった」 最後の最後まで冗談を(半分本気だったけど)言い合って いつもと同じように朱希の家の前で別れた