「積もらないかな」 小さく呟いた朱希の声に涼平が答えた 「残念 雪が降ったとしても1時間しないで止むって天気予報のおじさんが言ってた」 涼平の言った通り 雪はちょっとしか降ってないし心なしかどんどん弱くなっていっている気がする 「もうちょっと降ってほしかった」 「それって早く帰りたいってこと?」 さっき言ったことを返されて言葉に困る ……そういう意味で言ったんじゃないのに そんな心の中を見透かしたように涼平はふっと笑って 冗談、 と朱希の頭についた雪を払った