ぱれっと-part1-




涙を隠すように上を向いた涼平は あっ、と嬉しそうな声を上げた



「雪!」


そんなの降るわけないって、もうすぐ春なのに

そう思って上を向いた朱希の頬にも冷たいものが当たった


雪だったとしても体温で溶けてしまうから雨か雪かわからない



「季節外れだけど雨じゃないって」


ほら、と涼平が指さしたのは自分のコート

白い雪が少しだけついている



「本当だー」


「なんかロマンチックじゃない?ホワイトクリスマス的な」


「全然クリスマスじゃないしロマンチックだけど寒い」