困らせてる
あたしが困らせてる
泣いたら涼平が困る
そんなことわかってる
わかってるのに涙は止まらない
「待ってる……って言っちゃダメ?」
口から出るのは涼平を困らせる言葉ばかり
それでも涼平は優しく笑って
風が入らないようにあたしのコートの前を留めながら答えてくれた
「待っててくれるのは嬉しいけどさ
実際無理だよ
だって何カ月も、下手したら何年も連絡取れねぇんだよ?
朱希は好きな人ができました、ってどうやって連絡すんの
帰ってきたら朱希が新しい彼氏と手繋いでましたって……
それは悲しいよ俺も」

