そんな時ふわりと暖かいものが肩に掛けられた コート…… 何も言わず恥ずかしそうに笑っている涼平を見て 涙が止まらなくなった 行かないでよ なんて言えない 行かなかったところで涼平の進路なんて考えてあげられない 涼平のしたいことよ邪魔する権利もない それでも、ワガママでも 「会えなくなるのは……嫌だ」 こっちを向いた涼平は困ったように笑った