ぱれっと-part1-





そんな時ふわりと暖かいものが肩に掛けられた



コート……

何も言わず恥ずかしそうに笑っている涼平を見て
涙が止まらなくなった




行かないでよ
なんて言えない
行かなかったところで涼平の進路なんて考えてあげられない
涼平のしたいことよ邪魔する権利もない



それでも、ワガママでも



「会えなくなるのは……嫌だ」



こっちを向いた涼平は困ったように笑った