ぱれっと-part1-




こっちこっち、と案内されたのは給湯室
……の裏?


「ここ、俺の秘密基地」


おどけたふうに言う涼平は
本当に秘密基地に入る
いたずらっ子のような顔をしている


「いいの? 秘密基地に入っちゃっても」


女の子でも秘密基地を作ることはある
(朱希は作ったことは無いが)

しかし男の子の秘密基地は特別な気がしてしまう

“秘密基地はいくつになっても男のロマンだ!”

と2つ上のいとこが言っていたのを朱希は思いだした


そんな秘密基地に
何の関係もない自分が入っていいのだろうかと躊躇していると


「いいから、入って」

と涼平に背中を押された
そう、文字通り背中を