こっちこっち、と案内されたのは給湯室
……の裏?
「ここ、俺の秘密基地」
おどけたふうに言う涼平は
本当に秘密基地に入る
いたずらっ子のような顔をしている
「いいの? 秘密基地に入っちゃっても」
女の子でも秘密基地を作ることはある
(朱希は作ったことは無いが)
しかし男の子の秘密基地は特別な気がしてしまう
“秘密基地はいくつになっても男のロマンだ!”
と2つ上のいとこが言っていたのを朱希は思いだした
そんな秘密基地に
何の関係もない自分が入っていいのだろうかと躊躇していると
「いいから、入って」
と涼平に背中を押された
そう、文字通り背中を

