「なんだよもう!
のろけかそうか、もういいよ!
勝手にいちゃいちゃしてろよ
あー恥ずかしーーい」
さっきの朱希に負けず劣らずの勢いで言い切った橋下はベーっと子供みたいに舌を出して奥の部屋に入って行ってしまった
「なんだあれー!」
涼平は驚いたような顔をしつつ爆笑している
「なんだよ、何が言いたいのかわからなすぎるだろーっ」
お腹を抱えて笑いだした涼平の声は
たぶん……じゃなくても橋下のいる部屋まで届いている
「いいの? 拗ねてたみたいだけど橋下さん」
「いいのいいの、ほっときなさい
ごはん食べたくなったら出てくるから」
この人について行きたいって言って出ていったはずなんですけど涼平くん
その言葉を言うタイミングをすっかり逃してしまった
……こんな大人に大事な息子を渡した親も親だ

