「あ、いいの?
すっごい嬉しい
どうぞ、あがってって」


涼平は入口を開けて「どうぞ」なんて言っているが

……あたし1人で入ってどうしようか


「いや、でも今日は南美これなくなっちゃったし、あたし1人で言ってもしょうがないって言うか……」



「え? なんか用事?」


「や、用事ではないんだけども」


「じゃああがってきなよ、お茶くらいは出すから」



半ば強制的に上がらされ、絵画教室のドアが開く