勢いよく振り返ったせいでビルから出てきた人とぶつかりかけた

しかもまたまたドラマチックなこと……



「なんで涼平が出てくるのー?」


「こっちこそ、何でそこで朱希が車を凝視してるのー?」


口調を真似されて力が抜ける


なんであたしはこんな何分も悩んでたんだっけ……


「どーしてため息つくのよ、俺の顔見て」


眉間にしわを寄せて、半分笑っているような半分困っているような顔をする涼平


「特に理由はございません

あ、これ差し入れ
よかったら食べて」


脱力したまま来る途中に買ってきたお菓子の紙袋を渡した