ぱれっと-part1-





「じゃあここで」

別れようとしてから、ふと思い出した

涼平傘持ってないんだった



ここまでは朱希の傘折り畳み傘に
無理やり2人で入ってきたが、
さすがに男1人でこの柄はきっと恥ずかしい



確か予備のビニール傘が家にあったはず


「ちょっと待ってて!!」


屋根のあるところで涼平を待たせて
朱希は走って家に入った

傘立てに無造作に刺さっていた
透明のビニール傘と
タオルを持ってまた涼平の所に走る



「よかったら、これ使って帰って?」


朱希を濡れないようにしていたせいで
だいぶ濡れてしまった涼平の服を
タオルで拭いてビニール傘を渡した