「じゃあここで」
別れようとしてから、ふと思い出した
涼平傘持ってないんだった
ここまでは朱希の傘折り畳み傘に
無理やり2人で入ってきたが、
さすがに男1人でこの柄はきっと恥ずかしい
確か予備のビニール傘が家にあったはず
「ちょっと待ってて!!」
屋根のあるところで涼平を待たせて
朱希は走って家に入った
傘立てに無造作に刺さっていた
透明のビニール傘と
タオルを持ってまた涼平の所に走る
「よかったら、これ使って帰って?」
朱希を濡れないようにしていたせいで
だいぶ濡れてしまった涼平の服を
タオルで拭いてビニール傘を渡した

