風邪ひくからいい、という朱希の心配を 大丈夫 の一点張りで制して 結局朱希は涼平に送られることになった 「最後に会った日、こんな日だったね」 帰り道にボソッとつぶやいた涼平の言葉を聞いて今度こそ本当に泣くかと思った 覚えていた 涼平も同じことを覚えてたんだ 自意識過剰なのかもしれない 涼平にはもう特別な感情は無いのかもしれない でも、それでも 涼平はまだあたしと同じ気持ちでいてくれてるんじゃないか 涼平のたった一言でも 朱希にはそんな気がして仕方なかった