それからしばらく涼平と
何かの話題に盛り上がることもなく
でも、ぽつりぽつりと
心地よいテンポで話した後、店を出ることにした
「飲み物一杯分くらい奢るから!」
必死ともとれる表情で言ってくれた涼平のお言葉に甘えて奢ってもらい店を出る
ドアを開けて初めて気づいた
「……雨じゃない」
見るたびに涼平のことを思い出すこの天気
たくさん降ってもたぶん積もらないような
柔らかくて、すぐに溶けてしまうような
そんな雪
「雪なら傘いらないなー」
濡れて寒いから風邪ひくかもしれないのに
やっぱり雪マジックってすごい

