「ごめん、涼平がいるとか知らなくてたまたま連れてこられて橋下さんがいてビックリして……」
涼平、なんて呼んでいいのかとも思ったが他人行儀なのもなんか寂しい
思い切って呼んでみたが本人はそんなこと気にもしていない
うわー、と頭を抱えたままだ
そんなに嫌だったかな、と少し(と言うか結構)悲しい
「ごめん本当に
急に来られても迷惑、だったよね
……久しぶりに会えてよかった」
帰ります、と伝えて部屋を出た
ちゃんと顔見られた
声も聞けた
覚えててくれたことが分かった
それで十分
少し肌寒い外の風に当たりながら駅に向かって歩いた

