そして風になった。





大好きな咲へ


柄にもない手紙なんてごめんネ?
そしてこれが咲への最初で最後の手紙になっちゃったね。

今まで迷惑ばっかりかけてごめんなさい。
私のところへ毎日会いにきてくれてありがとう。
それが苦しい病院生活での唯一の生きがいだった。
咲がいたから、辛いリハビリも、にっが~いお薬も飲めた。
生きるんだ。・・・咲と一緒にいるための試練なら、こんなのちょろいもんだ~って思って、やってこれた。

咲といるだけで何もかも楽しかった、輝いてた!
一人じゃ寂しかった夜も、咲の顔を思い出すだけで、全然寂しくなくなった。
いつでも私を外に連れ出して自由にしてくれる、天使みたいな存在だった。

私聞いたでしょ?どうして私を外に連れ出してくれるの?って。
そのときに、理由がなきゃ連れ出しちゃいけないのか?って言ってくれて、凄く嬉しかった。その言葉を1番期待してたのは私だった。
そして私は思った。

一生咲といれればいいのになぁ~って。
そしたら咲から指輪くれるんだもん!びっくりしちゃった!!
以心伝心?なんて思っちゃったりして(笑)
「結婚しよう」だなんて、約束してくれて・・・。
私・・・。本当に嬉しかった。
嬉しすぎて、つい隠してたものが出ちゃったよ。
涙も・・全部。

咲の言葉、一つ一つが優しくて、優しすぎてもう絶対・・。

手放したくないと思った。
その抱きしめる強さも、温もりも全部。

でも・・・

もう叶わない。
私だって生きたいよ・・。ずっと一緒にいたかったよ。
咲との結婚生活だって待ってる。
幸せな家庭だって作りたい。子供もいっぱい欲しい。
新婚旅行だって行きたかった。
おばあちゃんになるまで、ずっと一緒に寄り添っていたかった。

それでも私には、命のタイムリミットがある。
それが明日なら、私は咲にこの言葉を伝えたい。

私はめいいっぱいの私なりの言葉で
「愛してる」と伝えた。
恥ずかしかったけど、これが私からの唯一の愛のカタチ。

受け取ってくれたら何よりです。