少年の呪詛は実に危険なものだった。
普通の呪いとは違い、対象が『決まっていない』のだから。
つまりリング内外を問わず、慕っているレヴィ以外の全ての者の精神に干渉してくる呪い。
観客や味方である筈の教師陣にさえ影響を及ぼすのだ。
「何て事しやがる!」
早々に観客達を避難させようとする十牙。
しかし彼よりも早く。
「心配には及びません」
用務員が、日本史教師が、リングを覆い包むように結界を張る。
「『封呪』の結界です…我々は中立の立場ですが、あくまで観客の安全を確保する為、ここは力添えさせてもらいます…」
抑揚のない声で呟く用務員。
「喧嘩を吹っ掛けた君にも責任がありますよ、十牙君…君の手で事態を収拾してみせなさい」
優しげなようでいて厳しさも内包して。
日本史教師がリング上の十牙に告げた。
普通の呪いとは違い、対象が『決まっていない』のだから。
つまりリング内外を問わず、慕っているレヴィ以外の全ての者の精神に干渉してくる呪い。
観客や味方である筈の教師陣にさえ影響を及ぼすのだ。
「何て事しやがる!」
早々に観客達を避難させようとする十牙。
しかし彼よりも早く。
「心配には及びません」
用務員が、日本史教師が、リングを覆い包むように結界を張る。
「『封呪』の結界です…我々は中立の立場ですが、あくまで観客の安全を確保する為、ここは力添えさせてもらいます…」
抑揚のない声で呟く用務員。
「喧嘩を吹っ掛けた君にも責任がありますよ、十牙君…君の手で事態を収拾してみせなさい」
優しげなようでいて厳しさも内包して。
日本史教師がリング上の十牙に告げた。


