天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅨ

「満月じゃねぇと変身できないなんてのは、人間が勝手に書いた創作に過ぎねぇよ」

すっかり別の生き物、別の存在へと変貌した十牙は、まさしく狼よろしくグルルル…と低く唸る。

「純粋な闇の血統たる人狼は、昼夜、月の満ち欠けに関係なく己の意思で変身できる…そしてその能力は」

床を蹴る音さえさせず。

十牙が消えた!

「憑依霊なんぞの比じゃねぇ!」

一瞬にして背後へ!

その鋭い爪が、レヴィの背中に憑く少年へと迫る!