天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅨ

転がるようにして距離をとる十牙。

「何をしているか!この駄犬が!」

叱咤にしては毒舌。

雀がリング上の十牙を怒鳴りつける。

「戦闘中に相手に同情するとは何事か!それは対戦相手に対する侮辱でもあるのだぞ!」

「それ以前に駄犬たぁ何事だ!俺に対する侮辱を謝れチュン子!」

ガァーッとまくし立てる十牙。

しかし。

「まぁ…そうだな、てめぇの言う通りかもしれねぇ…忠告は感謝するぜ」

「フン」

意外にも素直に忠告を聞き入れた十牙に、雀は少し驚く。

「私に惚れるなよ?私には婚約者がいるのだからな…まぁ居ても居なくてもどっちでもいい話だが」