天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅨ

だから、少年はレヴィに執着している。

死して冷たい世界に一人だと思っていた自分に同情してくれたレヴィ。

その生者の温もりを知ってしまった分、彼はレヴィから離れない。

代わりにレヴィを傷つけようとする全ての者から、彼女を守ろうとする。

例えそれが生身の人間であろうと、人外であろうと…。

「この子…十牙君の事、よく思ってないみたい…私に敵意を向ける悪者だって思ってるみたいよ…?」

クスッと笑うレヴィの背後で。

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」

喉を絞るような、幼子らしからぬ、しゃがれた声で呻く少年。

まるで首を絞められた際の断末魔のようだ。

その声が、否応無しに十牙に、観客達に怖気を走らせた。