天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅨ

「ならば私が…」

リングに上がる階段に一歩足をかける龍娘だが。

「龍娘先生」

そんな彼女に、向こう側から雀が声をかけた。

「出るのは待ってもらいましょうか…貴女には私の相手をして頂きたい…尤も…私が怖くて避けたいと言うのならば今出ても構いませんが…」

「…ほぉう…?」

龍娘の額に浮かぶ青筋。

彼女はパイプ椅子に腰を下ろす。

「あの犬はくれてやる。レヴィ、行け」

「えぇえぇえぇ…」

超めんどくさそうな顔をするレヴィ。

その向こうでまた十牙が犬発言に怒鳴っているが気にしない。

「私ですかぁ?私、荒事苦手なんですけど…」

「よく言う…」

龍娘の切れ長の瞳が細まった。

「私の目には見えずとも、気配で分かるぞ?お前自身は荒事が苦手でも、『背中の奴』は闘いたがっているではないか…」