天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅨ

「必殺技か…」

ともすれば幼稚にも聞こえる響き。

しかし翡翠は嘲笑などしなかった。

ジャックフラミンゴが…いや、疾風が男の矜持をかけて放つ一撃。

それを何と呼ぼうかなど些末な事。

肝要なのは、彼が全てを込めた一撃を繰り出そうとしている事なのだ。

「ならば俺もその矜持に応えよう」

青く輝く川蝉の刃。

それを己が身に引き付けるように構え、腰を低く落とす。

「剣技『露草(つゆくさ)』…貴様を眠らせるものの名だ」